赤木 遥

あなたへ

「あなたのことを話して」と言って、「あなた」から拾い上げたものから振り付けしていたのはピナ・バウシュだったか、そんな映像を見たことがある。
「あなたについて」をどうしたら知ることができるのか。写真を撮る私は、写真であなたを残したいと思っていた。

2018年から今まで、私の部屋に招いた友人たちと会話をしながら、(時にお茶やお酒も挟みながら) 写真を撮った。友人たちは、画家、写真家、ダンサー、デザイナーなど、何かを表現する人である。
彼、彼女らが自身の作品について話すとき、ここにはない景色を思い出している表情や、身振りには、それぞれが作っているものとよく似た色が宿っていた。あなたを撮り、あなたを通してあなたの作品を撮っているようにも思えた。残された写真に写っているのは、あなたの記録とも、私たちの関係、時間の記録ともいえるだろう。
写真はいつも生命賛歌で、あなたがここにいて嬉しい。生きていることは美しい。それが残せるものだと、信じている。

写真に写されているあなたと、それを見るあなた。
誰かを愛し、誰かに愛されているあなたへ贈るように、私は写真を撮り、展示している。

 

© HARUKA AKAGI 2021